ウイーン国立歌劇場
2016~2017のシーズン
ローエングリン LOHENGRIN
Richard Wagner
BESETZUNG * Yannick N?zet-S?guin | 指揮 * Andreas Homoki | 演出 * * G?nther Groissb?ck | Heinrich der Vogler, deutscher K?nig * Klaus Florian Vogt | Lohengrin * Ricarda Merbeth | Elsa von Brabant * Tomasz Konieczny | Friedrich von Telramund, brabantischer Graf * Petra Lang | Ortrud, seine Gemahlin * Boaz Daniel | Heerrufer * N.N. | Vier brabantische Edle 国王役Groissb?ck: 随分と硬い声で出始めたのだが、徐々に調子を出していった。演技もまずまず存在感があった。 エルザ役のMerbethは最初から厚ぼったい声で、どこに焦点があるか分からないような声、 とにかく力づくでいこうとする姿勢は音楽的に許しがたいほどである。しかし客席の反応は意外と良く、大柄で見栄えがする歌手はやはり得をするものだ。 この演目での白眉はタイトルロールのVogtである。彼の声は優しく明るくて柔らかい。しかも肝心なところは力強く表現できる。理想的なテノールだった。ワグナーのテノールはとにかく大きな声でドラマティックにやるものと思いがちだがこの人の歌唱は楽な息遣いでもって透き通ってくるので、心が通って来るのだ。 Koniecznyはよく声が前に出てブリランテに歌って感心させられた。経歴を見ると彼はドイツものばかりでなくやはりスカルピアなども歌っている。この人は相当に高いレヴェルのバリトンである。 LangはソプラノのMerbethよりはましだったものの、同様に固い声で終始した。
オーケストラは相変わらず素晴らしい、大規模合唱、男声だけで100名を惜しげも無く繰り出すウイーンのオペラならではの豪華なことに改めて脱帽。
プアなのは演出と衣装。
50センチ大の白鳥の模型を大事そうに掲げてローエングリンの乗り物の代わりにするのは無理があるでしょう。大事な場面が弱すぎる。
舞台では群衆が机をあっちこっちさせるだけで意味が全くない。演出にインスピレーションが感じられない。演技づけもダサい動きばかりでこれでは才覚が微塵も感じられず。チロル風衣装は陳腐。これではワグナーが泣いてしまう。
しかし救いは何と言ってもオーケストラの音楽。5時間半の長丁場をよく緊張を持続出来るものです。
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